医療

先天性心疾患児の親の心理・行動傾向のメタ分析

先天性心疾患の子供が生まれた時の親の心理・行動について、複数の論文を合わせて分析した論文がありました。22の研究をまとめた論文です。 (子供が生まれる前から乳児の間までを対象としています。) この論文をもとに、子供が生まれてから退院するまでの…

先天性心疾患の学業成績(米ノースカロライナの調査)

先天性心疾患の知的面の発達の問題が気になります。先天性心疾患は軽度であっても、学業成績が基準以下の人の割合は、重度の人と変わらない。この人に支援が行き届いていない可能性があるという論文がありました。 論文情報 まとめ 過去研究との違い 対象者 …

新型コロナウイルスワクチンの優先順位と先天性心疾患

先天性心疾患患者が新型コロナウイルスのワクチンを受けるべきなのか、いつ受けるのかなどどのようになっているのか気になります。 ワクチンの優先順位はそれぞれの重症化リスクと関連があると思います。 2021年1月上旬の日米英の状況を調べてみました。 ま…

fontanで運動能力が良い人の特徴

先天性心疾患の体調管理に興味があります。 フォンタン患者のうち運動能力が高い人と低い人の違いについて調べた論文を読みました。やはり年齢との関係が強いですが、ビタミンDが十分かどうかなども関係すると書かれています。 論文情報 まとめ 感想 論文情…

COVIDによる変化をより良い診療につなげる

コロナで起こった医療の変化を将来の理想的な医療につなげようという論文を読みました。 論文情報 リンク まとめ 感想 論文情報 Adult congenital heart care in the COVID-19 era, and beyond: A call for action Michael A. Gatzoulis他著 International J…

International Journal of Cardiology-Congenital Heart Diseaseの巻頭言

今年(2020年)にInternational Journal of Cardiology-Congenital Heart Disease誌が創刊されました。この巻頭言を見てみます。 先天性心疾患の医療の現状の課題がまとめられ、論文誌の目指す方向がかかれています。 論文情報 Welcome to “The new Journal,…

運動テストCPETの将来予測への活用(修復されたファロー四徴症の場合)

先天性心疾患者の運動について興味があります。心肺運動検査(CPET)の結果を使って、修復されたファロー四徴症患者の将来リスクを予測する可能性についてのメタアナリシス論文(過去の論文をまとめて分析した論文)を読みました。 論文情報 Cardiopulmonary E…

先天性心疾患における慢性心不全 --運動能力の問題--(AHA科学的声明をよむその3)

先天性心疾患の長期的リスクが気になります。 2016年にアメリカ心臓協会の科学的声明として、慢性心不全(heart failure)について書かれていました。 3回目として、先天性心疾患者と運動能力の問題(Exercise Intolerance)について書かれた部分をまとめます…

開窓フォンタン 閉じると閉じないの違いは?

フォンタン手術の開窓は閉じるべきか?効果は何か?について興味があります。 開窓フォンタンを閉じた場合と閉じない場合のその後の状況についての論文を読みました。 アメリカMedical College of Wisconsin 2013年の論文です。 フォンタン開窓とは? 論文情…

40歳以上の修復された心室中隔欠損者でも、酸素摂取能力が低い

先天性心疾患の長期リスクを調べています。 手術で修復された心室中隔欠損者は、定期通院をしない場合も多いが、酸素摂取テストの結果が良くないとのデンマークの論文がありました。 論文情報 リンク まとめ 感想 論文情報 40歳以上の心室中隔欠損者の機能的…

先天性心疾患における慢性心不全 --影響--(AHA科学的声明をよむ その2)

先天性心疾患の長期的リスクが気になります。 2016年にアメリカ心臓協会の科学的声明として、慢性心不全(heart failure)について書かれていました。 2回目として、先天性心疾患者と心不全の関係について書かれた部分をまとめます。 論文情報 Chronic Heart…

先天性心疾患における慢性心不全 --問題と統計--(AHA科学的声明をよむその1)

先天性心疾患の長期的リスクが気になります。 2016年にアメリカ心臓協会の科学的声明として、慢性心不全(heart failure)について書かれていました。 統計の記述を見てみます。 論文情報 Chronic Heart Failure in Congenital Heart Disease A Scientific S…

先天性心疾患と脳卒中リスク

先天性心疾患の長期リスクを調べています。 虚血性脳卒中リスクについての論文を読みました。デンマークでの研究です。 論文情報 リンク まとめ 調査対象 リスク 感想 論文情報 先天性心疾患の成人における虚血性脳卒中 Ischemic Stroke in Adults With Cong…

先天性心疾患と遺伝子の解説(2017年Current Opinion in Pediatrics誌)

先天性心疾患に関係する遺伝子の研究が進んでいるようです。 2017年のCurrent Opinion in Pediatrics誌の記事を読んでみました。 論文情報 まとめ 感想 雑誌情報 論文情報 The Genetics of Congenital Heart Disease…Understanding and Improving Long Term …

先天性心疾患とコロナウイルス ニューヨークの分析

先天性心疾患患者のコロナウイルスリスクが気になります。アメリカニューヨークの事例が2020年10月14日に発表になりました。 遺伝子性疾患や、合併症のある人、高齢者の重症化リスクは高い一方で、若年者については、一般と比べて、とりわけ高リスクとは言え…

先天性心疾患児の運動発達への親の影響?

先天性心疾患と運動について調べています。子供・幼児の運動発達についての論文を読みました。少し古く2008年、ドイツケルンの事例です。 ドイツでは、安全な場所で運動発達を促進する活動を行う治療サービスがあるそうです。 論文情報 リンク まとめ 感想 …

若年先天性心疾患患者のがんリスク スウェーデンの研究

先天性心疾患患者の長期リスクについて調べています。 先天性心疾患患者とがんの関係についての論文を読んでみました。2019年スウェーデンの研究です。 論文情報 リンク まとめ 感想 雑誌情報 論文情報 Risk of Cancer Among Children and Young Adults With…

アメリカ心臓協会(AHA) 2019年の心臓研究の進歩

アメリカ心臓協会(AHA)が毎年心臓病と脳卒中の主要な進歩を発表しています。2019年版を見てみました。先天性心疾患に関係する部分を中心に、一部をまとめてみます。 まとめ 感想 AHA names top heart disease and stroke research advances of 2019 | Ameri…

運動で先天性心疾患小児の動脈硬化が緩和される(2018)?

先天性心疾患の運動効果について調べています。先天性心疾患児は運動が少ない方が多い方よりも動脈硬化が進んでいるという2018年の論文がありました。 カナダのUniversity of Saskatchewanなどの研究です。 論文情報 Physical activity modulates arterial s…

フォンタン者に運動を勧めるべきか=無理?(メタアナリシス)

フォンタンの運動は効果があるとされていますが、副作用については、今後の研究が必要とされている論文が多くあるなど、よくわかっていません。 複数の論文をまとめた研究であるメタアナリシスの論文を読んでみました。2015年の論文です。 論文情報 まとめ …

アメリカの患者支援組織の研究 PatientsLikeMe

海外の患者支援組織が日本とどう違っているのかについて興味があり調べています。 PatientsLikeMe(アメリカ)についてみてみました。 まとめ 特徴 利用者と使い方 目指している将来像 感想 ご注意 まとめ PatientsLikeMeの仕組み 特徴 PatientsLikeMeは営利…

フォンタン患者の足に圧力をかける装置(ズボン)の効果

スポーツの分野で、運動後に圧力をかけるソックスをはくことで回復を促進する取り組みが行われています。足から血が返ってくるのを助ける効果を期待しているものです。 (ただし、効果についてはありとなしで結果が割れているようです) フォンタン患者につい…

先天性心疾患患者のアミノ酸と筋トレの効果 聖路加国際病院の調査(2019) 2

先天性心疾患患者の基礎体力の低下について気になります。 Journal of Cardiologyに掲載されていた聖路加国際病院の調査結果、食事、栄養面と筋トレの効果についての論文の2回目です 今回は後半のアミノ酸と筋トレの効果の部分を見てみます。 論文情報 Sarco…

成人先天性心疾患の栄養と食事(日本) 聖路加国際病院の調査(2019) 1

先天性心疾患患者の食事と健康について気になります。 聖路加国際病院の調査結果が Journal of Cardiologyに掲載されていました。 食事、栄養面と筋トレの効果についての論文ですが、ここでは食事栄養面のデータを見てみます。 論文情報 Sarcopenia in adult…

セカンドオピニオン 費用について

手術等を行う際に、セカンドオピニオンを聞くことは、自分で判断し、また納得して医療を受けるために重要だと思います。医師によって疾患の見解が違う場合もあります。 ここでは、費用について調べてみました。 主治医に紹介状を書いていただく費用 セカンド…

フォンタンの吸気筋トレーニングは効果がある(2017年の論文)

先天性心疾患の運動について調べています。 運動の中には、有酸素運動、筋トレ、呼吸筋トレーニング、柔軟等があると思います。この中で一般になじみのない運動として呼吸筋トレーニングがあります。 前回の フォンタンの運動「フォンタン アメリカ心臓協会A…

フォンタンの運動「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その8

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、運動:評価と治療としての手段についてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐…

フォンタンの検査・診療戦略「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その7

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、検査・診療戦略についてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっていま…

先天性心疾患と肝臓 2012年Mayo Clinic College of Medicineの論文

運動の結果、肝臓に悪影響があるという学会発表がありました。それを読んでから肝臓への影響について気になっています。 論文を読んでみました。Mayo Clinic College of Medicineの2012年の論文です。 これまでは心臓関連の学会の論文を読んでいましたが、初…

房室弁逆流 「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その6

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、房室弁逆流についてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっていますの…