スーパーフォンタンは可能か??
The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgeryという雑誌に「Super-Fontan: Is it possible?」という投稿がありました。
出典
The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery
March 2018Volume 155, Issue 3, Pages 1192–1194
Brief Research Report
著者
Rachael Cordina, 他
リンク
https://www.jtcvs.org/article/S0022-5223(17)32368-1/fulltext
まとめ
どういう人か?
スーパーフォンタンとは優れた運動能力を備えたフォンタン患者と定義されています。
オーストラリアとニュージーランドのフォンタン患者で16歳以上、2010年以降にCPETの検査を実施した人133人のうち14人(11%)が優れた運動能力を持っている人でした。
その中で、身体活動レベルに関する医療記録があった11人を見ると、
全員が中程度から激しい活動に参加していました。
週に3回以上のスポーツ活動。
全員がフルタイムで雇用または勉強しています。
平均追跡期間は3.8±2.1年でした。フォローアップ期間中に記録された主要な臨床事象はありません。
平均年齢24歳、(範囲は16〜34歳)です。
身体的傾向
- 弁逆流少
- 大動脈閉塞がない
- または大きな不飽和化(36%は小さな開窓があった)
- 被験者の21%に旧式フォンタン(APC)
- 21%には以前に不整脈心筋焼灼術とペースメーカー
- 14%には軽度から中程度の収縮期心室機能障害
留意点
選ばれた人は若い人になっています。この状態が長期的に継続するのかは現状ではわからないと書かれています。
掲載雑誌について
Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgeryは、心臓胸部外科、心臓病学、肺医学、および血管疾患を対象とする医学雑誌です。
米国胸部外科学会および西部胸部外科学会の公式雑誌です。
感想
まだ、最終的な結論には至っていない様ですが、一部のフォンタン患者に、心疾患がない人と同レベルの運動能力の人がいるようです。
必ずしも、身体的特徴が良好なわけではないのに、高い運動能力を示しているのが、興味深いです。
脈がよくないのはペースメーカを入れてしまえば運動に支障がなくなるが血管が狭い等の疾患は治せないとも、運動していても脈の異常には効果がないとも解釈の可能性があるように思います。
多くの人が元気で暮らしていけるように、何をすればよいのか、明快になっていくと嬉しいですね。
注意点
論文を参考に何かの判断をされる際には、必ず原著に当たってください。