フォンタン患者の体格面の成長 「フォンタンの子供と大人の評価と管理:アメリカ心臓協会の科学的声明」を読む その1
2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。
長い文書で内容が多岐にわたっているので、フォンタンと体の成長に関する一部を読んでみました。
文書情報
Evaluation and Management of the Child and Adult With Fontan Circulation: A Scientific Statement From the American Heart Association
リンク
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIR.0000000000000696
まとめ
フォンタン患者の体格面の問題です。
骨や筋肉に問題がある人が多く、肥満も多いということでした。
骨の調査では、身長、骨密度が低く、低身長の傾向があります。
副甲状腺ホルモンの値が高い人が48%でした。この値が多いと骨の異常につながる場合があります。ビタミンDが低い人も15%いました。ビタミンDは骨の形成に関係しているそうです。
筋肉が少ないことに関しては、数値データは書かれていません。
まだ、因果関係がはっきりしておらず、継続的な研究が必要なこともあるようです。
感想
骨が弱いとなると、骨折のリスクもあると思います。転倒などの怪我が多いので心配になります。
論文を読んでいると肥満の問題もよく書かれているのですが、ちょっと意外な気もします。
成長や、肥満に関しては、食べ物も関係してくると思います。また、子供の時の習慣が将来にも影響すると思います。大人になってから嫌いなものを無理に食べたり、好きなものを我慢するのは大変だと思います。自然によい食べ物を選んで食べられることが理想です。
食事に関する指導も受けたくなりました。
ここに書かれている研究の対象は12歳前後が多いということで、まだ手術からの時間は短いです。年をとってからの悪影響というよりは、早い段階から起こる現象と思いました。
この文書は、フォンタン患者について一通り書いてあります。医療者向けで専門的記述も多いのですが、引き続き読んでまとめてみたいと思っています。