フォンタンの脳機能リスク 「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その3
フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、脳機能のリスクについてまとめます。
2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。
長い文書で内容が多岐にわたっていますので、少しずつ理解したことをまとめています。その3回目です。
文書
Evaluation and Management of the Child and Adult With Fontan Circulation: A Scientific Statement From the American Heart Association
リンク
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIR.0000000000000696
まとめ
用語へのリンク
リスク
- やや低いIQ、
- 読書と数学の学業成績、
- 視空間認知、
- 作業記憶(情報の保持と操作の実行)
- および処理速度の問題
- 注意欠陥/多動性障害が3分の1(フォンタン156人の青年の研究)
-
社会的認知障害
フォンタン循環の青年は、他の人の感情、社会状況、人間関係を解釈する能力テストのスコアが低く、自分の感情を認識することも困難な場合あり
スコア(フォンタン患者(10〜19歳)を対象とした横断研究)
- IQ(91.6±16.8)、
- 平均読書複合スコア(91.9±17.2)、
- および平均数学複合スコア(92.0±22.9)
対策
患者、その家族、教育システム、および小児および成人のヘルスケアチーム間の協調的アプローチは、高リスクの成人フォンタン集団の幸福を促進するための鍵
神経発達障害の定期的な監視スクリーニングと評価が推奨
問題の特定により、適切な治療と教育が可能になり、
- 学問的、
- 行動的、
- 心理社会的、
- 適応的機能
を強化する機会が生まれ、各個人が自分の最適な可能性を達成できるようになる
感想
学習能力や、社会的な生活を営む上で必要になる能力についての問題がある可能性があるということです。
教育やトレーニングによって、能力の問題への対処を身につけられるのであれば、良いと思います。問題の把握が幼少期にでき、早めに行動にうつれば、その後の余裕ができます。
このあたり、教育も含めて、どのような動きがあるのか気になるところなので、引き続き調べていきたいと思います。