コロナの外出制限中の小児先天性心疾患者の運動の減少
コロナの流行による外出制限の健康への悪影響が気になります。
外出制限期間の前後での歩数の変化についてレポートがありました。
カナダの論文(速報)です。
論文情報
Reduced Physical Activity During COVID-19 Pandemic in Children With Congenital Heart Disease
Nicole M. Hemphill他著
Canadian Journal of Cardiology Brief Rapid Report May 05, 2020
リンク
https://www.onlinecjc.ca/article/S0828-282X(20)30440-2/fulltext
まとめ
方法
中等度から重度のCHDの子供(9〜16歳)合計109人
カナダ ブリティッシュコロンビア州(バンクーバーなど太平洋岸の地域)
Fitbit Charge 2で歩数を数える
24か月間つけてもらっている(コロナと無関係に)
2019年と2020年で被験者が一部入れ替わっている点にご注意ください
結果
カナダでのパンデミックの初期段階で、先天性心疾患の子供の1日あたりの総歩数の21%〜24%が減少
平均歩数は2019年と2020年の両方で12,000歩(カナダの身体活動ガイドライン)以下
2020年には、世界保健機関がCOVID-19の発生をパンデミックと宣言した3月11日頃に歩数が減少し始め
この間のブリティッシュコロンビアの状況は、
3月16日にバンクーバーの公共施設が閉鎖、
3月19日に緊急事態制限が発令され、飲食店の休止等が義務化されました。しかし、運動の外出は、制限されてないようです。
論文に書かれた結論
身体的および心血管の健康への潜在的な悪影響に加えて、身体活動の減少による精神的健康への影響を考慮しなければならない
コロナ以降の身体活動補助の必要性と有効性を調査するための基礎データになる
学校、課外身体活動等に依存しない生涯にわたる身体活動習慣の発達において、先天性心疾患の子供と家族への支援を提供する可能性がある
感想
コロナ外出制限の初期段階ですので、歩数が減っているのは予想通りといえば予想通りです。コロナがどのような感染症なのかまだわかっていないので、散歩は許可されているとしても、外には行きにくい状況だったと思います。
カナダの小児先天性心疾患の患者のどの程度の割合で運動処方が出ているのかわかりません。もしかしたら、皆さん運動をあまり意識してなかったのかもしれません。2019年の歩数もカナダの推奨値を満たしていませんでした。
通常の生活スタイルで自然と満たされていたこと(例:運動量)が、学校が休みになる等、状況が変化したとき、満たされなくならないように、健康維持に必要なことをきちんと知っておくことが大事だと思いました。