先天性心疾患児の運動発達への親の影響?
先天性心疾患と運動について調べています。子供・幼児の運動発達についての論文を読みました。少し古く2008年、ドイツケルンの事例です。
ドイツでは、安全な場所で運動発達を促進する活動を行う治療サービスがあるそうです。
論文情報
Motor Development in Children with Congenital Cardiac Diseases
Birna Bjarnason-Wehrens他著
European Cardiology Review 2008 Volume 4 Issue 2
リンク
Motor Development In Children With Congenital Cardiac Diseases
まとめ
先天性心疾患者は運動能力が低い傾向(複雑な人に限らず根治した人も)
疾患の影響だけではなく、親の過保護による運動経験の欠如の影響もある
子供の運動経験は、身体的、運動的発達だけでなく、感情的、心理社会的、認知的発達にも決定的に影響
心配しすぎている親は、子供たちに運動のための十分な独立性を与え、子供たち自身の判断を信頼するように奨励されるべき
ドイツでは、運動経験を促進するための医療サービスが開始された。
- 医学的監督下の「保護地域」で運動することが出来る
- 運動障害を特定して治療することが出来る
- 自分の身体的限界のときの体の反応に気付き対処する方法も体得する
- 週75分8か月のプログラムで31人が運動能力の大幅な改善があった
運動の具体的な内容については書かれていません
ここでの運動はスポーツや競技ということではなく、通常の身体活動も含んでいます。
論文中の表と図を見ることが出来ませんでしたので、情報が限定的です。
感想
親の心配が、子供の発達を妨げているとしたら、悲しいです。「もし、何かあったらどうしよう」というのが先に立ってしまうのだと思います。どのようにするのが良いのか、知識を得たいですし、行動プランが必要だと思います。
患者と親に対する身体活動を医療的に指導する活動は、日本ではまだ一般的ではないように思います。発達専門医と心臓専門医がチームとなってみてくれたら安心なのですが...
雑誌情報
European Cardiology Review(ECR)は、国際的な英語の査読付き論文誌です。