先天性心疾患と遺伝子の解説(2017年Current Opinion in Pediatrics誌)

先天性心疾患に関係する遺伝子の研究が進んでいるようです。

2017年のCurrent Opinion in Pediatrics誌の記事を読んでみました。

 

論文情報

 The Genetics of Congenital Heart Disease…Understanding and Improving Long Term Outcomes in Congenital Heart Disease: A Review for the General Cardiologist and Primary Care Physician

Simmons, M. Abigail(Department of Genetics, Yale University School of Medicine)他著

 Current Opinion in Pediatrics: October 2017 - Volume 29 - Issue 5 - p 520-528

 

まとめ

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先天性心疾患と遺伝子の関係と検査の利点

先天性心疾患者のうちで現時点で遺伝子の変異が特定できる人は35%

 遺伝子変異を持っている人はさらに多い

一つの遺伝子で先天性心疾患と他の疾患同時に影響があるものがある

 神経発達障害、呼吸器疾患、心不全など

遺伝子検査によって、病気のリスクがわかるものがある

ただし、現時点では全員に検査は勧められない(ハイリスク者のみ)

 複雑な先天性心疾患、家族も先天性心疾患の人

 併存する先天性奇形

 他の重大な併存疾患のある患者

 

感想

他の検査方法では検出が難しいリスクを遺伝子検査で見つけることが出来る可能性があるようです。

将来的には、自分の病気のリスクを知って対応していくようになっていくのかなあと思います。まだ病気になっていない段階で、早い対応が出来れば、いいことがありそうです。

個人的には、遺伝子検査となると、社会的、生活的な点にも影響がありそうで、まだちょっと怖い一面もあります。

 

雑誌情報

Current Opinion in Pediatricsは小児科分野の様々なトピックを対象にした論文誌です。

インパクトファクター(2019)は2.390です。