先天性心疾患児の親の心理・行動傾向のメタ分析
先天性心疾患の子供が生まれた時の親の心理・行動について、複数の論文を合わせて分析した論文がありました。22の研究をまとめた論文です。
(子供が生まれる前から乳児の間までを対象としています。)
この論文をもとに、子供が生まれてから退院するまでの親の役割と心理変化、問題への対応事例という形でまとめてみました。(直訳ではありません)
論文情報
Coping in Parents of Children with Congenital Heart Disease: A Systematic Review and Meta-synthesis
Midori R. Lumsden他著
Journal of Child and Family Studies volume 28(2019), pp1736–1753
リンク
まとめ
米国(10論文)、カナダ(6)、オーストラリア(2)、英国(1)、日本(1)、スウェーデン(1)、台湾(1)の論文をまとめている
各事例についてまとめている(統計的な分析ではない)
患者を家族全体として考慮する必要がある
感想
子供が小さい間までの親に起こることについて、どのように親が対処しているかをピックアップしています。多くが親自身の心理的な問題にどう対処するかということについての話になっています。
心的ストレスに対応するのにも正反対の行動をとる事例もあり、個人差が大きいようです。
生まれる前は子供はまだいないので、親の問題だけですし、生まれてしばらくは子供は病院にいるので、親が出来ることは限られ、親の心理的な問題への対応が多くを占めるのはわかるように思います。
もう少し成長してくると、状況が変わってくると思います。状態の改善に親が出来ることがでてきますし、子供は、家庭の中での存在から、社会の中の子供になってきます。
ここでの問題の一部は、国ごとに違っているように思います。日本では、保育園や幼稚園に入るのも容易でない場合もありますし、学校の勉強についての問題も出てきます。こちらの問題は具体的であるため、対処方法もノウハウ的であり、対応しやすいかもしれません。
事例を取り上げた論文のため、まとめるのが難しかったため、時間経過ごとに整理してみました。そのためこの論文のまとめ方とは違うまとめ方になっています。
雑誌情報
Journal of Child and Family Studiesは、子供、青年、その家族の健康と幸福に関連する話題に関する査読付き論文誌です。
インパクトファクターは1.780(2020年)です。