フォンタンの男女差
フォンタン者の長期的な変化について気になります。フォンタン循環の男女差についての調査結果の論文がありました。
オランダの1病院60人の調査です。
論文情報
Sex differences in cardiac function and clinical outcome in patients with a Fontan circulation
Sophie L.Meyer他著
International Journal of Cardiology Congenital Heart Disease Volume 5
2021年10月
リンク
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S266666852100121X
まとめ
フォンタン者の男女差を調査する最初の研究
13.0歳から22.3歳まで(平均16.6歳)の男女それぞれ30人ずつの調査
追跡期間は5.4から6.0年
女性の方が
- 不整脈が多く、不具合が起きる人が多い
- 1回の拍出量は少ないが、心拍数が多いため、1分間の拍出量は男女差なし
- NYHAが悪い(ただし、症状自覚の違いの可能性も?)
注意点
- 被験者が若く、数も少ない
- 論文中の表に疑問点がある
(男女別の範囲記述よりも全体の範囲記述の方が範囲が狭いなど)
感想
まだ、実態調査の初期段階で、男女差の原因分析はできてないようです。調査対象も1病院だけで、対象者の年齢幅も狭いので、今後の研究が必要だと思います。
患者ごとの個人差が大きいので、男女差に限らず、違いを把握して、適切な医療ができるようになってほしいと思います。