フォンタン者が高地に住むと悪影響がある?

フォンタン者と高地の関係について調べています。

先日は、短期間の滞在の問題に関する論文を読みました。今度は、高地居住の影響についての論文を読んでみました。

2013年 アメリカの論文です。

論文情報

Living at Altitude Adversely Affects Survival Among Patients With a Fontan Procedure

  (高地での生活は、フォンタン者の生存に悪影響がある)

Joy T. Johnson

(Primary Children's Medical Center, University of Utah, Salt Lake City)

他著

 

Journal of the American College of Cardiology

 Volume 61, Issue 12, 26 March 2013

リンク

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0735109713002556

 

まとめ

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高地居住の悪影響
分析条件

標高1500m(5000フィート)の病院のデータ

現在は成人年齢になっている患者について分析

103人がフォンタンを受け、70人が成人した

住所の郵便番号から居住標高を推定

 

分析結果

高地居住は肺血管抵抗を上昇させる

 

血栓 48%

肝臓異常 44%

タンパク質喪失性腸症 27%

 

タンパク質喪失性腸症の発生率は低地で生活している人の2倍

血栓塞栓症の発生率が非常に高い

成長障害と運動耐容能の低下の報告もある

 

注意点

高地居住者のデータはある一つの施設に通っている人のデータのみ

低地居住者との比較は、他論文の低地居住者データを使っている

 

感想

長期的に高地に住むことはフォンタン者にとってリスクがあるとの論文です。

20年後の死亡や移植がない人の割合が低地居住者に比べてとても低くなっています。

また、高地と言っても1000m台なので、高山病にかかるほどの高さではありません。

そうは言っても、住む場所を選べない場合には困ってしまいます。

引っ越ししなくても、何とかなる方法もありそうですが、(可能な限り酸素をつけるなど)どうなのでしょうか?

引き続き色々と調べてみたいと思います。