2020-01-01から1年間の記事一覧

フォンタンの子供の体組成と運動能力

フォンタンの子供の体についての論文をよみました。Journal of the American Heart Associationに掲載されています。肥満と低体重両方があります。全体としてみれば、筋肉などが少ない傾向です。 論文情報 リンク まとめ 感想 注意点 論文情報 Body Composit…

fontanで運動能力が良い人の特徴

先天性心疾患の体調管理に興味があります。 フォンタン患者のうち運動能力が高い人と低い人の違いについて調べた論文を読みました。やはり年齢との関係が強いですが、ビタミンDが十分かどうかなども関係すると書かれています。 論文情報 まとめ 感想 論文情…

COVIDによる変化をより良い診療につなげる

コロナで起こった医療の変化を将来の理想的な医療につなげようという論文を読みました。 論文情報 リンク まとめ 感想 論文情報 Adult congenital heart care in the COVID-19 era, and beyond: A call for action Michael A. Gatzoulis他著 International J…

International Journal of Cardiology-Congenital Heart Diseaseの巻頭言

今年(2020年)にInternational Journal of Cardiology-Congenital Heart Disease誌が創刊されました。この巻頭言を見てみます。 先天性心疾患の医療の現状の課題がまとめられ、論文誌の目指す方向がかかれています。 論文情報 Welcome to “The new Journal,…

運動テストCPETの将来予測への活用(修復されたファロー四徴症の場合)

先天性心疾患者の運動について興味があります。心肺運動検査(CPET)の結果を使って、修復されたファロー四徴症患者の将来リスクを予測する可能性についてのメタアナリシス論文(過去の論文をまとめて分析した論文)を読みました。 論文情報 Cardiopulmonary E…

先天性心疾患における慢性心不全 --運動能力の問題--(AHA科学的声明をよむその3)

先天性心疾患の長期的リスクが気になります。 2016年にアメリカ心臓協会の科学的声明として、慢性心不全(heart failure)について書かれていました。 3回目として、先天性心疾患者と運動能力の問題(Exercise Intolerance)について書かれた部分をまとめます…

開窓フォンタン 閉じると閉じないの違いは?

フォンタン手術の開窓は閉じるべきか?効果は何か?について興味があります。 開窓フォンタンを閉じた場合と閉じない場合のその後の状況についての論文を読みました。 アメリカMedical College of Wisconsin 2013年の論文です。 フォンタン開窓とは? 論文情…

40歳以上の修復された心室中隔欠損者でも、酸素摂取能力が低い

先天性心疾患の長期リスクを調べています。 手術で修復された心室中隔欠損者は、定期通院をしない場合も多いが、酸素摂取テストの結果が良くないとのデンマークの論文がありました。 論文情報 リンク まとめ 感想 論文情報 40歳以上の心室中隔欠損者の機能的…

先天性心疾患における慢性心不全 --影響--(AHA科学的声明をよむ その2)

先天性心疾患の長期的リスクが気になります。 2016年にアメリカ心臓協会の科学的声明として、慢性心不全(heart failure)について書かれていました。 2回目として、先天性心疾患者と心不全の関係について書かれた部分をまとめます。 論文情報 Chronic Heart…

先天性心疾患における慢性心不全 --問題と統計--(AHA科学的声明をよむその1)

先天性心疾患の長期的リスクが気になります。 2016年にアメリカ心臓協会の科学的声明として、慢性心不全(heart failure)について書かれていました。 統計の記述を見てみます。 論文情報 Chronic Heart Failure in Congenital Heart Disease A Scientific S…

30年間のノーウッド手術後の死亡率の低下

先天性心疾患に関するこれまでの医療の進歩に興味があります。 ノーウッド手術後救命率の変化についての論文をよみました。 論文情報 Decreasing Interstage Mortality After the Norwood Procedure: A 30‐Year ExperienceMichelle Kaplinski他著 Journal of…

先天性心疾患と脳卒中リスク

先天性心疾患の長期リスクを調べています。 虚血性脳卒中リスクについての論文を読みました。デンマークでの研究です。 論文情報 リンク まとめ 調査対象 リスク 感想 論文情報 先天性心疾患の成人における虚血性脳卒中 Ischemic Stroke in Adults With Cong…

軽度から中等度の先天性心疾患の高齢者は、神経認知障害リスクがある

先天性心疾患の脳機能への影響が気になります。 軽度から中等度の先天性心疾患の高齢者は、認知機能テストのスコアが一般者よりも劣るとの論文がありました。Stanford University School of Medicineの論文です。 論文情報 まとめ 問題がある項目 この研究の…

先天性心疾患と遺伝子の解説(2017年Current Opinion in Pediatrics誌)

先天性心疾患に関係する遺伝子の研究が進んでいるようです。 2017年のCurrent Opinion in Pediatrics誌の記事を読んでみました。 論文情報 まとめ 感想 雑誌情報 論文情報 The Genetics of Congenital Heart Disease…Understanding and Improving Long Term …

先天性心疾患とコロナウイルス ニューヨークの分析

先天性心疾患患者のコロナウイルスリスクが気になります。アメリカニューヨークの事例が2020年10月14日に発表になりました。 遺伝子性疾患や、合併症のある人、高齢者の重症化リスクは高い一方で、若年者については、一般と比べて、とりわけ高リスクとは言え…

先天性心疾患児の運動発達への親の影響?

先天性心疾患と運動について調べています。子供・幼児の運動発達についての論文を読みました。少し古く2008年、ドイツケルンの事例です。 ドイツでは、安全な場所で運動発達を促進する活動を行う治療サービスがあるそうです。 論文情報 リンク まとめ 感想 …

若年先天性心疾患患者のがんリスク スウェーデンの研究

先天性心疾患患者の長期リスクについて調べています。 先天性心疾患患者とがんの関係についての論文を読んでみました。2019年スウェーデンの研究です。 論文情報 リンク まとめ 感想 雑誌情報 論文情報 Risk of Cancer Among Children and Young Adults With…

フォンタンの循環を改善する薬の研究 (臨床試験の論文)

アメリカ心臓協会の「2019年の研究の進歩」に載っていた、フォンタンの運動を改善する薬の論文を読んでみました。ウデナフィルという薬の効果についての論文です。 論文情報 まとめ 感想 論文情報 Results of the FUEL (Fontan Udenafil Exercise Longitudi…

アメリカ心臓協会(AHA) 2019年の心臓研究の進歩

アメリカ心臓協会(AHA)が毎年心臓病と脳卒中の主要な進歩を発表しています。2019年版を見てみました。先天性心疾患に関係する部分を中心に、一部をまとめてみます。 まとめ 感想 AHA names top heart disease and stroke research advances of 2019 | Ameri…

先天性心疾患と睡眠

どうも睡眠の質が低いような気がしています。これが先天性心疾患と関係性があるのか気になり論文を調べました。 しかし、本文を(フリーで)参照できるものがなく、概要しか読むことが出来ませんでした。そのうちのいくつかをまとめてみました。 まとめ 感想…

日本人の食事摂取基準から必要な素材量を計算する

以前、厚生労働省の日本人の食事摂取基準から心血管に関係しそうな栄養素をまとめました。 今回は、それぞれの栄養素を取るために、身近な食材をどのくらいとればよいのか計算してみます。 仮に一日の必要量を一つの食材のみでとる場合の重量を計算しました…

運動で先天性心疾患小児の動脈硬化が緩和される(2018)?

先天性心疾患の運動効果について調べています。先天性心疾患児は運動が少ない方が多い方よりも動脈硬化が進んでいるという2018年の論文がありました。 カナダのUniversity of Saskatchewanなどの研究です。 論文情報 Physical activity modulates arterial s…

中高年先天性心疾患 アメリカ心臓協会の科学的声明

先天性心疾患の長期的な変化を調べています。 中高年先天性心疾患 アメリカ心臓協会(AHA)の科学的声明(Congenital Heart Disease in the Older Adult A Scientific Statement From the American Heart Association)が2015年に出ています。この文書では40…

フォンタン者に運動を勧めるべきか=無理?(メタアナリシス)

フォンタンの運動は効果があるとされていますが、副作用については、今後の研究が必要とされている論文が多くあるなど、よくわかっていません。 複数の論文をまとめた研究であるメタアナリシスの論文を読んでみました。2015年の論文です。 論文情報 まとめ …

アメリカの患者支援組織の研究 PatientsLikeMe

海外の患者支援組織が日本とどう違っているのかについて興味があり調べています。 PatientsLikeMe(アメリカ)についてみてみました。 まとめ 特徴 利用者と使い方 目指している将来像 感想 ご注意 まとめ PatientsLikeMeの仕組み 特徴 PatientsLikeMeは営利…

フォンタン循環患者のリンパ管の変形 デンマークの研究(2019)

脚を圧迫することで循環を補助する効果について興味があり調べています。 体には、血流以外にもリンパの流れもあります。足マッサージの効果として、リンパの流れを助けるということもありそうです。 リンパはあまりなじみがなく、よくわかっていないので、…

コロナの外出制限中の小児先天性心疾患者の運動の減少

コロナの流行による外出制限の健康への悪影響が気になります。 外出制限期間の前後での歩数の変化についてレポートがありました。 カナダの論文(速報)です。 論文情報 まとめ 方法 結果 論文に書かれた結論 感想 論文情報 Reduced Physical Activity Durin…

フォンタン患者の足に圧力をかける装置(ズボン)の効果

スポーツの分野で、運動後に圧力をかけるソックスをはくことで回復を促進する取り組みが行われています。足から血が返ってくるのを助ける効果を期待しているものです。 (ただし、効果についてはありとなしで結果が割れているようです) フォンタン患者につい…

先天性心疾患患者のアミノ酸と筋トレの効果 聖路加国際病院の調査(2019) 2

先天性心疾患患者の基礎体力の低下について気になります。 Journal of Cardiologyに掲載されていた聖路加国際病院の調査結果、食事、栄養面と筋トレの効果についての論文の2回目です 今回は後半のアミノ酸と筋トレの効果の部分を見てみます。 論文情報 Sarco…

成人先天性心疾患の栄養と食事(日本) 聖路加国際病院の調査(2019) 1

先天性心疾患患者の食事と健康について気になります。 聖路加国際病院の調査結果が Journal of Cardiologyに掲載されていました。 食事、栄養面と筋トレの効果についての論文ですが、ここでは食事栄養面のデータを見てみます。 論文情報 Sarcopenia in adult…