fontan者の肝線維症は他要因とは症状が違うため、既存検査では見つけにくい(大阪市立大学の論文)
Fontan者の肝臓疾患について気になっています。大阪市立大学のグループが、Fontan後の肝線維症を分析し、一般的な肝線維化マーカ等と症状の関連性について評価する論文を発表していました。
論文情報
Assessing liver stiffness with conventional cut-off values overestimates liver fibrosis staging in patients who received the Fontan procedure
Yuki Cho他著
Hepatology Research Volume51, Issue5 May 2021
リンク
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/hepr.13627
プレスリリース
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/pdfs2020/press_210307.pdf
まとめ
- 肝臓の固さ検査(超音波エラストグラフィ)は肝臓自体の固さよりも血圧(門脈圧)を検出してしまう
- 血液検査の肝線維化マーカ(ヒアルロン酸、4 型コラーゲン7s、APRI、FIB-4 Index、FibroTest など)は、Fontan 者の肝線維化状況との関連性がなかった
感想
これまでの肝臓の状況を検査する方法ではフォンタン者の肝臓の状態を正しく検査できないということです。
肝臓の組織をとる方法だと、負担も大きいと思います。血液検査などの負担が少ない方法でできるようになってほしいと思います。
統計値では、今回の平均14.7歳の集団(22人中10代以下が17人)でも、肝線維化が進んでいるとのことなので、普段から注意する必要があると感じました。
雑誌情報
Hepatology Researchは、日本肝臓学会の国際論文誌です。