運動テストCPETの将来予測への活用(修復されたファロー四徴症の場合)

先天性心疾患者の運動について興味があります。心肺運動検査(CPET)の結果を使って、修復されたファロー四徴症患者の将来リスクを予測する可能性についてのメタアナリシス論文(過去の論文をまとめて分析した論文)を読みました。

論文情報

Cardiopulmonary Exercise Test (CPET) in patients with repaired Tetralogy of Fallot (rTOF); A systematic review

 

S.Alborikanabc(St Bartholomew's Hospital, London, UK)他著

International Journal of Cardiology Congenital Heart Disease Volume1, July 2020

リンク

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666668520300501

 

まとめ

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ファロー四徴症者の心肺運動検査の結果と効果

論文の目的

  • 運動能力を決める要因を明らかにする
  • CPETデータで将来予測する証拠を説明する

分析内容

  • 2002年から2019年の21本の論文を分析
  • 平均年齢は25±7歳

結果

peakVO2は被験者の年齢とは関係がない(といっても被験者は30代程度まで)

昔の論文より、今の論文の方が数値が向上している

(年齢よりも手術方法で運動能力が影響されると考えている)

全体平均は68%(運動容量が低下している)

CPETは診断によく使われるが、論文上では使い方や根拠が確立されてない

運動能力の決定要因

  • 安静時の左心室・右心室の機能障害
  • ピーク運動時の左心室1回拍出量の減少
  • ピーク運動時の右心室収縮期圧力
  • Transannular patchでの手術

完全には特定できていない

 

感想

 修復されたファロー四徴症では、分析対象年齢も若いのですが、心肺テストの結果が良くない人が多いようです。

この分野の論文では、まだ分析方法が統一されていないとの結論でした。

一般に、体調悪化要因はいろいろで複雑であり、限定は難しいと思いますが、変化を早く察知して、対応可能になるとよいなと思います。

雑誌情報

International Journal of Cardiology Congenital Heart Disease誌は、できたばかりの論文誌で、この論文が掲載されているのがVol.1です。

 名前からしても、先天性心疾患の論文誌なので、よい論文がたくさん出るようになるとよいなと思います。