先天性心疾患児の神経発達と改善 AHA 科学的声明

先天性心疾患の知能面発達の問題と改善が気になります。

アメリカ心臓協会(AHA)のScientific Statement(2012)があり、読んでみました。

論文情報

Neurodevelopmental Outcomes in Children With Congenital Heart Disease: Evaluation and Management

(先天性心疾患を持つ子供の神経発達の結果: 評価と管理 )

      A Scientific Statement From the American Heart Association (2012)

リンク

   https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIR.0b013e318265ee8a

 

まとめ

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先天性心疾患児の神経発達の課題

1966 年から 2011 年までの MEDLINE および Google Scholar データベース検索に基づいてまとめた文書

 

先天性心疾患者の神経発達問題のメカニズムは、弱点部の正確な予測が出来るレベルまで理解されていない

 

年齢に応じて見えてくる問題が変わるので、継続的な再評価が重要

家族、教育専門家、医療者の協力が必要

 

疾患の種類ごとの傾向の報告事例

  (注: 文章中から抜粋したため、表現がそろっていません)

心房、心室中隔欠損症の閉鎖、動脈スイッチ手術、肺動脈狭窄のバルーン拡張弁形成術をうけた人

  行動および感情の問題

 

フォンタン手術(10 歳から 18 歳)

  行動、精神的健康、自尊心に問題がある

 

大血管転移、ファロー四徴症、心房中隔欠損症の手術を受けた 7 ~ 14 歳

 学業成績と総合的な能力が低下、引きこもり、社会的、行動上の問題

 

大血管転移、ファロー四徴症

 注意機能障害のリスクが高

 

複雑な先天性心疾患児の平均スコアが一般者より低い領域

  •  細かい運動能力
  •  全身の運動能力
  •  視覚と知覚
  •  注意力
  •  実行機能

感想

心疾患ごとに発生しやすい問題がわかってきている様です。

これまでは、心疾患者に特化した発達の検査や、トレーニングの支援は受けたことがありません。

 今後は、わかってきた知見に基づいた支援体制によって、問題に早く対応し発達を手助けする仕組みによって、それぞれのQoLがあがっていく体制ができて欲しいと思います。

 

内容が多岐にわたっているので、うまくまとめきれていません。

検査方法や、遺伝子の話も記載されていますが、ここでは割愛しました。