成人先天性心疾患のスポーツの安全性
先天性心疾患者にとって運動は有益ですが、リスクも気になります。スポーツの安全性についての論文がありました。イギリスの論文です。
論文情報
Safety of physical sports and exercise in ACHD
AnaBarradas-Pires(Royal Brompton病院)他著
International Journal of Cardiology Congenital Heart Disease Volume 4, August 2021
リンク
Safety of physical sports and exercise in ACHD - ScienceDirect
まとめ
一般論
定期的身体活動を含むアクティブなライフスタイルは、長期的な健康と幸福の重要な要素
成人先天性心疾患者の運動処方は、臨床評価と運動テストをもとにした専門家の評価に従って、運動中の有害事象の危険因子を特定し、個人ごとに運動の安全限界を決めるのが理想。
特定のリスクが存在する場合、運動の強度は、調整する必要がある。
その後、運動処方を定期的に見直し、危険因子が出現したり、治療に成功したりしたときに修正する必要がある。
個人ごとの違いが大きいため、運動処方では、多数の要因を考慮する必要がある
そのため、医師は難しく感じたり、リスクを強調しすぎたりする場合がある。
運動の種類
筋トレ
動きありと動きなしに分けられる 動きなしは息止めをする場合があり、要注意
多くの成人先天性心疾患者に安全で有益 一部の人は要注意
運動中の注意信号
めまい、失神、胸痛、動悸、呼吸困難
運動に注意が必要な人
不整脈のある人は治療するまで運動テストを控えるべき
重度の左心室流出路閉塞では、激しい運動・競技はすべきでない
運動処方
患者の運動処方の前に、
を行うべき
確認項目
運動処方で提供するもの
- 運動トレーニングの種類
- 頻度
- 期間
- 強度
感想
筋トレも2種類に分けて考える必要があるということを初めて知りました。
これまでは、等尺トレーニングも特に気にせずにやっていましたが、今後は注意したいと思います。
自己流の運動は、安全性に心配があります。データがたまって、それぞれの人に適した運動を決められるようになってほしいと思います。