フォンタンの人工血管は一生そのままでいい?

日本小児循環器学会雑誌(2020)にフォンタンの人工血管の長期的な変化に関する

症例報告Editorial Commentがありました。

論文情報

心外導管型フォンタン手術後遠隔期に導管狭窄をきたした2例

満尾 博九州大学病院心臓血管外科)他

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 36(1): 84-89 (2020)

リンク

症例報告

Editorial Comment

 

わかったこと

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フォンタンの人工血管の長期的な変化の可能性

3歳ごろのとても小さいときに人工血管を入れて、それをそのまま一生使っていけるのかについては、素朴な疑問としてあります。人工血管自体は伸びなくても、周辺の血管が余分に成長してくれれば、問題ないのかななんて考えていました。

結論として、人工血管が問題となる可能性は発生確率としては低いようです。

想定される問題の原因は、

  • 成長によって、血管が伸ばされることによって内径が狭くなるということ
  • 血管が折れ曲がってしまうことで、流れが悪くなること

の二つがあります。

(やはり、周辺の血管が余分に伸びて完璧に補ってくれるわけではなさそう)

このうち、折れ曲がりの方が問題が多い模様です。

折れ曲がった部分が血栓等でさらに狭くなり、流れが悪くなることで様々なところに問題が出てくるようです。

問題の発見も微妙で、手術を行うかどうかの判断も難しいそうです。

感想

発生確率は高くないということですが、ゼロではありません。

しかし、検査を怠らないようにすることが大事だと思います。