先天性心疾患における慢性心不全 --影響--(AHA科学的声明をよむ その2)
先天性心疾患の長期的リスクが気になります。
2016年にアメリカ心臓協会の科学的声明として、慢性心不全(heart failure)について書かれていました。
2回目として、先天性心疾患者と心不全の関係について書かれた部分をまとめます。
論文情報
Chronic Heart Failure in Congenital Heart Disease
A Scientific Statement From the American Heart Association
Karen K. Stout他著
Originally published19 Jan 2016
リンク
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/cir.0000000000000352
まとめ
- 先天性心疾患の直接的な影響
弁異常 不正な血流(シャント) 閉塞 不整脈 単心室 心筋の機能不全 心臓の形が理想的でない影響
- 心筋の構造の問題
心臓の筋肉が通常と違っている(とくに右心室)
- 心臓への血流(冠動脈)の異常
- 神経ホルモンの活性化
BNP
RAAS(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系)
←血圧などの調整にかかわるホルモン
など
- 心筋線維症
- 心臓の形の変化
長年の心臓への圧力、手術の影響によって肥大など形が変化する影響
感想
心臓の筋肉の作り(筋繊維の向き)などが特殊で、そのために、心臓の動きに問題が出る場合があるということを初めて知りました。血液の流れ方などのマクロ的違いは分かりやすいのですが、一見見えないミクロ部分にも問題がある場合があるということだと思います。
最初は問題なかったとしても、長期的には様々な変化があり、要注意なので検査結果をよく見て、知る必要があると思います。