フォンタンのチアノーゼ 「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その5
フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、チアノーゼについてまとめます。
2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。
長い文書で内容が多岐にわたっていますので、少しずつ理解したことをまとめています。その5回目です。
文書
Evaluation and Management of the Child and Adult With Fontan Circulation: A Scientific Statement From the American Heart Association
リンク
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIR.0000000000000696
まとめ
チアノーゼの原因
- 冠動脈から冠静脈に流れた血は、右心房等に戻る(元々そうなっている)
- 脈を打ってない血は肺の中で下に行きがち、酸素との交換は上の方が多いので交換不十分になる
- 開窓(穴あき)フォンタンで静脈血が心臓に入る
- 全身静脈と肺静脈の間に直通する血管が出来てしまう場合がある
SpO2
通常は90-95%
さらに低い人もいる
運動すると下がる
その他
肺動静脈奇形(PAVM)のリスク
肺動静脈奇形とは肺動脈と肺静脈がつながってしまう状態で酸素が取り込まれない流れができること
ヘモグロビンレベルは通常上昇
下がると問題
高ヘモグロビンレベルは血液が粘っこくなる
水分補給に注意が必要
感想
チアノーゼの原因が色々あるということを初めて知りました。
手術前はフォンタンをやったらチアノーゼは解消するものと勝手に思っていました。
あっては困る血管ができるのを生活の工夫で予防するのは難しそうに思います。
逆に、鉄分を取るということと、水分補給するというのは日々の生活で気を付けることが出来そうです。