アメリカ心臓協会 先天性心疾患の子供と大人に向けた運動の奨め(2013)

 

論文

タイトル

Promotion of Physical Activity for Children and Adults With Congenital Heart Disease

A Scientific Statement From the American Heart Association

著者

Patricia E. Longmuir Julie A. Brothers Sarah D. de Ferranti Laura L. Hayman George F. Van Hare G. Paul Matherne Christopher K. Davis Elizabeth A. Joy Brian W. McCrindle

出典

Circulation. 2013;127:2147–2159

リンク

https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIR.0b013e318293688f

内容

図示

f:id:lemondh:20200310102741p:plain

内容の図示

ざっくりとした要約

医療提供者が先天性心疾患患者に行う、活動的なライフスタイル推奨のやり方について書いてあります。
運動の効果や、先天性心疾患患者の運動の安全を保障する臨床研究はほとんどないとしています。
 
活動制限の少ない人向けや、活動制限しなければいけない疾患を持つ人向けのカウンセリング方法について記載されています。
「医学的に活動制限が必要な場合でも、すべての患者に身体活動を促進し、患者および重要な他の人が適切な種類の身体活動を楽しむことが奨励されるようにします」と書かれています。
 
患者が自分で運動実施計画をたて望ましい生活に変えていくことを、医療従事者が助けるということだと思います。
患者の事情や生活パターン、価値観も考慮して運動計画をたて、検証しながら進めると記載してあるところが、印象的です。
それによって、患者が勝手に内容を変更したり、飽きたりしないようにすることで、運動を継続していけるようにすることを狙っています。
運動量を患者に自己申告してもらうと、オーバーに報告しがちなので、加速度計や歩数計心拍計で計測することを推奨しています。
 
このほか、注意しなければいけない疾患事例についての記述もあります。
 
かなり手厚い運動支援の実施を推奨していて、これを実施しようとするととても大変だと思いますが、患者としてはとても良いことだろうと思います。

注意点

この内容を何かの判断材料とされる場合には、必ず原著をご覧ください。

著作権の問題もあり全文(全訳)を載せていません。

 
 

稲井 慶著 フォンタン術後成人患者の管理(日本小児循環器学会雑誌 2017)

先天性心疾患の運動に関する論文を読んでいます。

 

今回の論文

フォンタン術後成人患者の管理

日本小児循環器学会雑誌

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 33(6): 411-422 (2017)
doi:10.9794/jspccs.33.411

著者:稲井 慶

著者所属:東京女子医科大学循環器小児科

発行日:2017年11月1日

 

jpccs.jp

 感想

フォンタン患者が将来、どのような問題が起こるかを網羅的に取り上げてあるので、全体をつかむために有効な論文でした。

確立された方法がないという記述が多数出てきます。まだまだ、これから検証する必要があるということだと思います。

運動に関しても、「効果はあると思うが、どこまでやってよいのかは決められない」といった感じの記述です。有酸素運動、筋トレ、呼吸筋トレーニングについて記載されています。

 

 内容要約

概要

フォンタン手術を行って時間が経つと、全身の色々なところに問題が起こる。

患者との情報共有と管理戦略をたてる必要がある

論文内容の非医療者視点でのピックアップ

内容を以下にまとめます。

心不全

  • 術後10年以上経過した患者51例の約30%で心機能の低下
  • フォンタン術後患者の心不全治療は確立された基準はない

不整脈

  • 術後経年的に増加
  • 20年で少なくとも50%の症例で加療を要する不整脈を生じる

血栓塞栓症

  • 抗凝固・抗血栓療法についてはいまだに一致した標準治療がない
  • 女子医大では、予防措置として,術後1年間はワルファリンによる抗凝固を全員に行っているが,その後特定要素がなければ一旦は中止
  • そのうえで術後10~15年あたりをめどにアスピリンを開始
  • 脱水を避ける(起床時の水分摂取)
  • 状態が許す限りWalkingなど適切な運動を勧奨

 

肝線維症

  • 約半数近くの患者が術後30年で肝硬変になっている
  • まず生活指導:適切なカロリー,たんぱく質摂取やビタミン補充などの食事指導
  • 肝硬変の進行度によっては労務の軽減も考慮されなければならない

蛋白漏出性胃腸症

  • フォンタン術後遠隔期の4~13%に発症し,経年的に増加する

内分泌・代謝

  • 成人先天性心疾患患者の93%に,ビタミンD欠乏または二次性副甲状腺機能低下が認められた
  • ホルモン異常は慢性腎疾患や骨粗しょう症の早期発症にも関与
  • 大内らは,フォンタン患者に75gOGTTを施行すると40%で耐糖能障害,15%で糖尿病,これらの患者では心イベントの発生率が高いことを報告

妊娠・出産

  • 管理については標準化された指針は確立されてない
  • 満期に至る前に児の娩出を図らなければならなくなる頻度が高く,児に関しても2,000 gないしそれ以下の低出生体重児となることが多い.
  • 帝王切開が選択される場合も通常より高い(50~70%)
  • 児の心疾患発症率は通常妊娠より高くなることは確認されていない

運動

  • フォンタン患者に運動を勧めるかどうかは確立されていない
  • 一定の基準にもとづいた処方はなく,各主治医の判断に委ねられている
  • 想定される効果
    • 筋肉は第二の心臓ともいわれ,特に肺側心室を持たないフォンタン循環においては,正常心の運動時血行動態と比較してもより重要
    • 骨格筋肉量は最高酸素摂取量などの運動耐容能指標を規定し,心疾患の予後と深く関連
    • 心臓リハビリテーションによる筋肉量の維持や血管内皮機能の改善がフォンタン患者のQOLや予後の改善にも資するとの認識
  • 問題発生の可能性
    • 運動による自律神経の活性化や血中アドレナリン値の上昇が不整脈を惹起する方向に作用する可能性
    • 運動時の中心静脈圧の上昇が肝臓をはじめとした内臓のうっ血や線維化に促進的に働く可能性
    • どこまでの運動が適切かはいまだに答えが出せない
    • デメリットの部分も勘案すれば競技的な活動への参加は勧めない
  • 有酸素運動、筋トレ、呼吸筋トレーニングを解説
    • 有酸素運動では,心肺運動負荷試験を行い無酸素閾値レベルに達する30~60秒前の心拍数をめどとした運動を週1~3回程度の範囲で勧めている.
    • 歩行や速歩などで無酸素閾値を超えることのない有酸素運動を行うことはメリットの部分が大きいのではないかと考えている.
    • この点に関してはいずれ介入研究を行って明らかにしていく必要がある
    • ウェイトトレーニングなどのレジスタンス運動については,息ごらえを行わないように注意しながら積極的に取り組むように指導
    • レジスタンス運動の有効性については小規模ではあるがいくつかの報告が存在
    • 呼吸筋トレーニングも有効である可能性あり
    • フォンタン循環では筋肉ポンプとともに胸腔内圧の変化が肺血流の増加に寄与しており,呼吸筋トレーニングは一定の有効性をもつ可能性が考えられるため,今後実証していく課題であると考えている.

注意点

何かの判断材料とされる際は必ず原著に当たってください。

 

先天性心疾患フォンタン患者 呼吸筋トレーニングで機能改善可能? 2018年の論文

先天性心疾患に関する論文を読んでいます。呼吸筋トレーニングの効果について論文を見てみます。2018年のイタリアとアメリカからの論文です。

 

 

論文

Respiratory Training Late After Fontan Intervention: Impact on Cardiorespiratory Performance


Pediatric Cardiology (2018) 39:695–704

著者

Lamia Ait Ali1,2 · Alessandro Pingitore1 · Paolo Piaggi5 · Fabio Brucini1 · Mirko Passera1 · Marco Marotta2 ·
Alessandra Cadoni3 · Claudio Passino2,4 · Giosuè Catapano2 · Pierluigi Festa2

著者所属

1.Clinical Physiology Institute, CNR, Via Moruzzi 1, 56124, Pisa, Italy.

2.Fondazione G. Monasterio, Regione Toscana, Pisa, Italy.

3.Clinical Physiology Institute, CNR, Via Moruzzi 1, 56124, Pisa, Italy.

4.National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Disease, National Institutes of Health, Phoenix, AZ, USA.

5.Pediatric Cardiology, Brotzu Hospital, Cagliari, Italy.

6.Institute of Life Sciences, Scuola Superiore Sant'Anna, Pisa, Italy.

まとめ

 呼吸法のトレーニング(Controlled Respiratory Training)によって、フォンタン循環の問題が改善することを示しています。

具体的には、

 安静時心拍数の低下(代謝能力の改善

 心循環反応の改善

 運動の持続時間の大幅な増加

などが観測されました。

被験者

参加者は16人の思春期フォンタン患者(17歳5±±3.8歳)で、日常のフォローアップのために外来診療所に通っている人たちです。

NYHAクラスI(身体活動に制限がない人)です。

患者はトレーニングあり(10人)とトレーニングなし(6人)に分けて比較しています。

 

訓練方法

吸う時間の2倍の時間ではきます。吸う動作につれて、呼吸に使う部分を、横隔膜を下げ、胸郭を開いて拡張し、鎖骨呼吸で終わるようにします。

3か月間週2回2時間 14回のトレーニングをしています。

実技だけではなく、呼吸器系の解剖学と生理学、呼吸制御などの理論も教えています。

被験者は、自宅でも呼吸筋トレーニングを行うように言われていて、携帯電話等を使って励まされていたと書かれています。

結論

 著者は、効果を最適化するためには、条件を増やして、更なる研究が必要だと述べています。

感想

 普段何気なくやっている呼吸も、適切な呼吸方法があるということが驚きです。

特に呼吸能力に制限がある患者は、より良い呼吸をすることで、自分の身体能力を最大限利用できます。そして、将来に起こる障害を少しでも緩和できれば、とても良いことだと思います。

一度良い呼吸方法を覚えれば、継続してやりやすそうな点もよいと思います。

 

ただし、小さい子供に呼吸法を教えるのは至難の業だと思います。

素直にやってくれる子供ならいいのですが。

この論文では、17歳前後を対象にしているので、ちゃんとやってくれると思います。

 

 フォンタン患者はうつなどのメンタル問題が頻繁にみられると書かれているのは気になりました。(本論文の主題ではありませんが)

 

論文情報

 Pediatric Cardiology 誌は乳児、子供、および青年の心疾患のすべての側面に関する雑誌です。インパクトファクターは 1.564 (2019)です。

 

リンク

link.springer.com

 

フォンタン患者の運動療法(現在エビデンスと将来の方向性)2007年の論文を読む

論文

T. Takken 他

Exercise prescription for patients with a Fontan circulation: current evidence and future directions

Neth Heart J. 2007 Apr; 15(4): 142–147

です。

本論文の目的

フォンタン循環患者の運動トレーニングの効果に関する文献のレビューです。2006年以前に発表された論文が対象です。

体調の良いフォンタン患者の運動効果についての論文6本をまとめています。

フォンタン循環とは

心臓に問題があるため、血液の流れを外科手術で変えた状態です。体から心臓に帰ってきた血液を心臓を通さずに肺につなげた状態になっています。

文献検索方法

この論文で過去の研究を検索している方法です。

Medline、Embase、およびSportdiscusデータベースを使用しています。期間は1966年から2006年11月まで。 検索用語は、「体力」、「運動トレーニング」、「心臓リハビリテーション」、「運動」、「運動能力」、「運動耐性」、「フォンタン」および「単脳室」としています。

検索対象期間の長さにも関わらず、2001年以降の文献しかヒットしてないようです。この分野が注目されたのは最近ということなのでしょう。

分析:過去事例でやっていることまとめ

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過去事例の条件まとめ

運動強度は50-80%で、時間は20分から1時間、週2回から3回を、3か月以上継続しているようです。内容は自転車やウオーキングと筋トレです。

被験者人数はいずれも10人程度と少な目です。

論文の結論

6つの発表されたすべての研究で、運動トレーニングがフォンタン循環患者の運動能力を改善できることが示されたとしています。(指標によっては、顕著な改善とは言えないという結果もありますが、6研究がそれぞれ何らかの改善をしているという意味)

ただし、6研究は小規模なものなので、より厳密な研究デザイン(被験者を増やす、コントロールグループなど)と、より長期間の観察などの更なる研究が必要という結論になっています。

読んでの感想

運動しているので、能力が改善しているのは予想どおりだと思います。むしろ悪影響はないのかということが気になります。

このレベルの運動ができるということは、よい状態の患者だと思われますので、そうでない人も含めて患者の状態に応じて運動の設計ができるように(論文にも記載のとおり)さらなる研究が必要だと思います。

 

CPET CPXとはなに?

CPETとは、心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise test)の略です。CPXと書かれる場合もあります。

どの様な検査なのか調べました。

何をする

運動しながら呼気を分析して、体力を測定するものです。運動の方法は、自転車、ランニングなどです。

どんな感じ?

以下の写真のような感じで、口と鼻に機械をつけて、呼吸の空気をとり、分析するものです。これを運動をしながら行います。

運動の種類は、下の写真のようにランニングをする場合や、自転車をこぐ装置で運動する場合があるようです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/db/Ergospirometry_laboratory.jpg

Wikipediaより

 

どのようにやる?

一つの方法に決まっているわけではありませんでした。

自転車の場合の例では、最初3 分間の安静、そのあと、3 分間の負荷なしで自転車をこぎ、その後、毎分5~25 Wずつ負荷を増やして計測します。

10分程度継続して計測します。

また、一定の負荷量で行う場合もあるそうです。50 Wの一定負荷で6 分間行う等です。

 

参考文献

吉川貴仁 藤本繁夫 Ⅱ.診断と検査 3.心肺運動負荷検査(CPET)

 日本内科学会雑誌第101巻第6 号・平成24年6 月10日

 

旭光物産株式会社

      http://www.kykb.jp/load_ergo02.html

先天性心疾患の運動療法 アメリカの成人先天性心疾患ガイドライン(2018)から

先天性心疾患の運動の効果と制限について調べています。

2018 AHA/ACC Guideline for the Management of Adults With Congenital Heart Disease を見てみました。

AHA/ACCとは?

AHAはAmerican Heart Association(アメリカ心臓協会)

ACCはAmerican College of Cardiology(アメリカ心臓病学会)

です。

運動についての記述は?

3.6. Exercise and Sportsに運動についての記述があります。しかし、半ページ程度しかありません。

要約

 心臓リハビリテーションは、成人先天性心疾患患者の運動能力向上と心不全の改善に有効である可能性あり

 疾患状態によって適切な運動は違う

 臨床医が定期的に活動レベルを評価して、運動の種類と強度を決めるべき

 CPETを使って計測するのが良い(トレッドミルや、自転車エルゴメータも利用可能)

 

詳細

(以下は英文を一部抜粋して和訳しています)

身体活動は、参加者の身体的および精神的健康に有益であると広く認識されています。

活動の推奨事項は、患者の臨床状態と関心に基づいて個別化する必要があります。

運動能力は先天性心疾患によって異なり、疾患の複雑さが増すにつれて能力が(一般的に)低下するという証拠があります
患者の病変ごとの典型的な運動能力に関する知識は、適切な活動の推奨を行う際に重要です。

自発的な活動は通常、最大運動能力の40%から60%ですが、フィットネストレーニングは最大能力の60%から80%で行われます。

運動能力は、最大酸素消費量で定義されます。

CPETを使って評価するのが一番ですが、トレッドミルまたは自転車エルゴメーターも、CPETと比較して貴重な情報が利用できない可能性があることを認識して、運動能力評価に使えます。

心臓病患者の他の集団と同様に、不活動は運動能力の低下につながります。
定期的な運動と心臓リハビリテーションは運動能力と心不全症状を改善する可能性があり、奨励されるべきです。

 

まとめ

一般的な情報のみですが、CPET等で計測して、医師の指示のもとでやるのが良いとされているようです。

この文書は、成人先天性心疾患を対象にしているので、子供の場合に当てはまるかは定かではありません。

注意点

公開情報をまとめたものです。ミスの可能性もあります。必ず元文書で確認ください。

心疾患の子供と若者の運動(1996年) Tomassoni TL著

先天性心疾患患者の運動に関する論文を読んでいます。

今回の論文

Med Sci Sports Exerc. 1996 Apr;28(4):406-13.

Role of exercise in the management of cardiovascular disease in children and youth.

少し古いです。現在では見解が変化している可能性があります。

著者

Tomassoni TL

Department of Pediatrics, Georgetown University Medical Center, Washington, DC

 

論文の内容

まとめ

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心疾患患者の運動実施体制

 

文面を抜粋して和訳

概要

さまざまな形態の心血管疾患の患者の運動反応について説明し、これらの子供と青年の幸福を改善するための運動トレーニングについて説明します。

 

小児および青年向けの運動トレーニング/心臓リハビリテーション

先天性心疾患の小児および青少年に対する運動リハビリテーションの重要性は、ほぼ20年間国際的に認識されています。

先天性心疾患患者は、しばしば身体活動が制限されており、この運動不足の結果、運動耐性がさらに低下しています。身体活動のこの欠如はまた、心血管、筋骨格、および心理社会的発達を妨げる可能性があります。したがって、先天性心疾患の子供のための運動リハビリテーションプログラムの実施はますます重要になっています。

 

ゴール

患者に安全な運動を行うための推奨事項を提供します。

これらの患者は、リハビリテーションの前に評価して、安全な運動レベルを評価する必要があります。その後、個々の運動プログラムを処方して、安全に潜在能力を発揮できるようにします。

 

スタッフ

医師

小児心臓リハビリテーションプログラムのメディカルディレクターは、運動生理学の適切なトレーニングを受けた小児心臓専門医でなければなりません。心臓専門医は、外来の臨床プログラムを組織し、監督するスキルも持っている必要があります。心臓専門医は、参加する子供の病歴に精通している必要があり、各タイプの先天性心疾患に関連する運動リスクを認識している必要があります。

各エクササイズセッションで監督医師を置くことが最適です。医師は、患者の安静時、運動時、回復時の心電図を読む責任があります。参加者は、心血管の問題または過度の運動に起因する可能性のある身体的徴候または症状がないか観察する必要があります。医師はまた、参加している子供の両親の質問や懸念に応じることができます。 

看護師

運動生理学者または運動生理学の訓練を受けた看護師は、プログラムの管理と参加者の評価を支援する必要があります。この人は、小児および青年の心肺フィットネス評価に関する相当な知識と経験を持っている必要があります。この人はまた、運動前と運動後のフィットネス評価を行い、運動セッションの実施中に参加者の強度レベルを監視する必要があります。

インストラクター

運動セッションは、子供のための体育の経験豊富な教師によって最もよく導かれます。多くの場合、心臓病の子供が使用する運動を修正する必要があります。インストラクターは、体育の授業と同じように設計されたセッションを指導し、運動するように子供たちを動機付けることができなければなりません。活動は年齢に応じたものであり、子供の興味を保つためのさまざまな活動を含む必要があります。

栄養士

子供や親と協力できる栄養士を含めるべきです。栄養士は、カロリー消費の増減の必要性に関する個別の情報に加えて、家族全員に健康的な食事の計画に関する指導を提供できます。

小児心肺運動テスト

少なくとも、心臓運動テストのコンポーネントには、12誘導心電図、心拍数、血圧のモニタリングと記録が含まれている必要があります。運動中の酸素消費量、毎分換気量、換気嫌気性閾値、有効肺血流量または心拍出量、一酸化炭素に対する肺の拡散能力、および酸素飽和度を測定することも望ましい。事前プログラム運動、テスト中に得られた最大心拍数反応に基づいて、運動セッションのトレーニング心拍数範囲が各子供に対して計算されます。

 

装置

呼吸ガス交換分析付トレッドミルおよび/または自転車エルゴメーター

リズミカルなアクティビティ用のルミスティック

ウォームアップとクールダウン用のバルーンとボール

有酸素運動用の縄跳び

運動セッション中に使用されるモニタリング機器(聴診器、血圧計、心電図モニター)

 

エクササイズセッション

過去の経験に基づいて、子供向けの効果的な小児心臓リハビリテーションプログラムは、10〜12週間の期間に週2回開催される1時間のトレーニングセッションで構成されることがわかっています。

プログラムの最初の2週間、子供は最大心拍数の60%で15分間有酸素運動に参加します。

3週目には、有酸素期が20分に延長され、子どもたちは最大心拍数の70%〜80%の強度で参加します。

5週目には、有酸素期が30分に延長され、プログラムの残りの期間を通して継続時間が維持されます。

 

各クラスは、突然の運動から生じる可能性のある筋肉の緊張や不整脈を防ぐために、10分間のストレッチングから始まります。

これに続いて、縄跳び、ウォーキング、ジョギング、音楽への有酸素運動などの有酸素運動が行われます。各セッションは、静脈プールを防ぐための10分のクールダウン期間の軽い運動で終了します。

パラシュート、バルーン、およびルミスティックを使用するアクティビティは、心拍数を徐々に低下させることができる適切なクールダウンアクティビティです。

家族も運動セッションに参加するよう招待されています。

 

運動処方の開発とフォローアップケア

プログラムの完了後、患者は運動のためのより具体的な推奨事項をえることができます。

運動処方は、子供が選択した活動を組み込むために個別化する必要があります。

運動処方は、実行する運動の種類、強度、頻度、および期間に関する情報を提供する必要があります。

 

心臓病の子供を対象とした運動トレーニング研究の結果

子供の心血管疾患の運動トレーニングの役割は、有酸素能力、体組成、柔軟性、筋力、およびいくつかの心理社会的措置の改善を含む多くの潜在的な利点があることが示されています。

現在の課題は、より厳密に設計された研究調査を実施し、これらの利点を明確にし、定義し、患者のケアにおける運動テストとトレーニングの使用について医療関係者を教育することです。

 

感想

ここまで包括的なケアが実施されれば素晴らしいと思います。(非常にコストがかかりそうです)

かなり前の論文なので、医療技術の進歩によって、状況が変わっているかもしれません。

 

注意点

何かの判断に使う際には必ず原著に当たってください