在宅運動プログラムでフォンタン患者の生活の質を上げられる??

Online Journal であるCongenital Heart Disease誌に、「家庭内での運動プログラムでフォンタン患者の身体的生活の質を上げられるか?」という論文がありました。(2016)

ウィスコンシン小児病院の研究です。

 

論文情報

タイトル

Can a Home-based Cardiac Physical Activity Program Improve the Physical Function Quality of Life in Children with Fontan Circulation

 

著者

Roni M. Jacobsen (Division of Pediatric Cardiology, Department of Pediatrics, Medical College of Wisconsin)他

掲載雑誌

Congenital Heart Disease Volume 11, Issue 2 March/April 2016 Pages 175-182

AAP YOUNG INVESTIGATOR ABSTRACT

(16 February 2016)

リンク

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まとめ

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在宅トレーニン

 

目的

フォンタン患者の在宅身体活動プログラムの安全性、実現可能性、および利点を評価

実験対象

  • 8歳から12歳までの合計14人の子供
  • 中程度以上の強度の運動活動による制限がない子供
  • 70%はもともと活動的と回答している人だった

期間

 12週間

検証方法

実験途中

 日記、電話での質問、Fitbit

実施前後

 20mシャトルラン 各種計測

レーニング内容

DVDまたは紙の配布資料でやり方を示す

週に3〜4回の動的および静的な家庭用エクササイズ45分間と3つの対面エクササイズセッション。

結果

  •  シャトルランの成績は向上
  •  バイタルサインには変化なし
  •  本人のPedsQLは変化なし
  •  親からみたPedsQLは改善
  •  被験者はやる気のある人たちだった点に注意が必要

 

感想

2016年以前の段階では、在宅運動プログラムの評価はまだ少なかったようです。現在アメリカでは、どのくらい在宅での運動プログラムが実施されているのか、気になります。 

運動はほぼ毎日やるとしたときに、毎回病院でやるのは無理だと思います。そこで、在宅で自分達で管理してできる必要があります。その意味で、この論文はそのあたりを詳しく書いてあるものと期待していました。しかし、内容として、すこし物足りない論文でした。

 運動の内容が同じで明確に提示してあれば、在宅でも、病院でも運動の効果は同じであるのは当然だと思います。

 病院と在宅の違いは何かを明らかにして、そこを解決する手段を提示しないといけないと思うのですが、書かれていません。被験者がどのように運動しているのか、どんな困難があったのかも質問しているのかもしれませんが、論文中には書かれていません。

また、具体的にどのような運動をしたのかについても書かれていません。