フォンタン患者が運動すると肝機能に悪影響がある?? その3(蛋白漏出性胃腸症関連も)

2016年から2017年にかけて埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科のグループからフォンタン患者の運動の肝機能などへの悪影響に関する学会発表が行われています。

3本目の学会発表についてまとめてみます。

 「フォンタン患者の日常生活活動の特徴と肝うっ血への影響」というタイトルです。

 

これまで同様、概要のみで論文が見つかっていません。そのため、情報が少なく不明点が多数あります。したがって、内容の理解が十分ではありませんのでご注意ください。

 

 

文献情報

Characteristics of Daily Life Activity and Its Impacts on Hepatic Congestion in Patients After Fontan Surgery

フォンタン患者の日常生活活動の特徴と肝うっ血への影響

 Akiko Yana 著

  Circulation. 2017;136

リンク

 

まとめ

 

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フォンタン患者の活動の肝臓・腸への影響分析結果

 

研究方法

  • 41名のフォンタン患者(9.6±5.6歳)と33名の対照被験者(11.9±5.2歳)
  • 高精度の加速度計(Actical®)を2週間連続して装着
  • 週末と平日のAEE比(週末/ 平日)を計算
  • γ-GTPを調査

 

結果

フォンタン患者は座りがちで低AEEの時間が長い(一般に比べ)
AEEが大きくなるとγ-GTPも大きくなる
γ-GTPが正常な人は、座りがちな時間が長く週末動かない(高γ-GTPに比べ)
蛋白漏出性胃腸症を発症した2名は高AEEかつ週末動きがち(他のフォンタンに比べ)

肝うっ血を防ぐAEE上限
 低中心静脈圧患者 8.7kcal/kg
 高中心静脈圧患者 7.5kcal/kg 

疑問点

 

個人的な疑問点をまとめます。

  • どのようにAEE上限値を決めたのかについては書かれていません。
  • 上限値の単位が[kcal/kg]になっていますが、これは一日当たりの値でしょうか?

感想

 

活動の数値上限を提示したことはすごいと思います。(情報が限られているために、その根拠や、妥当性、他の医師、研究者の評価などはわかりません)
  あくまで素人の素朴な疑問として、中心静脈圧の上下で2つに分類しただけでいいのかなと思いました。(わかりやすい目印としての代表例で、発表では詳細に分類されているのかもしれません)
 
数値データも含めた、論文を読んでみたくなります。