フォンタンの子供の体組成と運動能力
フォンタンの子供の体についての論文をよみました。Journal of the American Heart Associationに掲載されています。肥満と低体重両方があります。全体としてみれば、筋肉などが少ない傾向です。
論文情報
Body Composition and Exercise Performance in Youth With a Fontan Circulation: A Bio‐Impedance Based Study
(フォンタンの若者の体組成と運動能力:生体インピーダンスに基づく研究)
Adam W. Powell他著
Journal of the American Heart Association. 2020
リンク
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.120.018345
まとめ
フォンタンの子供における体組成の影響についてはほとんど知られていない
体組成を調べるときに、これまでは
二重エネルギーX線吸収測定法を使っていた。
本論文では、生体電気インピーダンス分析(InBody370)を使った。
両者は同様の結果を示す。
フォンタン循環は、筋肉減少と脂肪過多と関連がある
筋肉量が多いほど、運動能力が向上する
フォンタン手術後に後期合併症を患った患者は、骨格筋量が少なく、体脂肪率が高い
- 脂肪が約14%高い
- 筋肉量が約15%少ない
- 低身長
- 骨格筋量少
- 被験者の1/4が肥満
- 被験者の1/3が座りがちな生活習慣
感想
フォンタン者の体組成の分析は見たことあるような気がしていましたが、成人中心で、若年者は行われていないという主張です。
個人的には、フォンタン者は、あまり太れない印象を持っていました。実際、低体重の人も15%程度あります。
しかし、論文では、肥満についての問題提起が多いように思います。運動不足傾向の人も多いのかもしれません。フォンタン者といっても、人それぞれで事情が異なっているということがわかります。フォンタンだからより脂肪がつきやすいのかどうかはわかりませんでした。
子供のうちに運動習慣をつけ、基礎体力や筋肉をつけていくことが必要に思います。
注意点
この論文の比較対象は、何らかの理由で病院でCPETを行った人であり、一般的な集団との比較にはなっていないことに注意が必要です。