2020-01-01から1年間の記事一覧

セカンドオピニオン 費用について

手術等を行う際に、セカンドオピニオンを聞くことは、自分で判断し、また納得して医療を受けるために重要だと思います。医師によって疾患の見解が違う場合もあります。 ここでは、費用について調べてみました。 主治医に紹介状を書いていただく費用 セカンド…

フォンタンの吸気筋トレーニングは効果がある(2017年の論文)

先天性心疾患の運動について調べています。 運動の中には、有酸素運動、筋トレ、呼吸筋トレーニング、柔軟等があると思います。この中で一般になじみのない運動として呼吸筋トレーニングがあります。 前回の フォンタンの運動「フォンタン アメリカ心臓協会A…

フォンタンの運動「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その8

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、運動:評価と治療としての手段についてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐…

厚生労働省「食事摂取基準2020年」から心臓関連の記述をピックアップ

厚生労働省から、令和元年12月24日(火)付で 「日本人の食事摂取基準」(2020年版) が公開されています。この中から心臓関連の記述をまとめてみました。 リンク まとめ ビタミンC 効果 問題 研究 鉄 効果 問題 n-3系脂肪酸(EPA DHA) n─6系脂肪酸 効果 ビ…

フォンタンの検査・診療戦略「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その7

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、検査・診療戦略についてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっていま…

先天性心疾患と肝臓 2012年Mayo Clinic College of Medicineの論文

運動の結果、肝臓に悪影響があるという学会発表がありました。それを読んでから肝臓への影響について気になっています。 論文を読んでみました。Mayo Clinic College of Medicineの2012年の論文です。 これまでは心臓関連の学会の論文を読んでいましたが、初…

房室弁逆流 「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その6

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、房室弁逆流についてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっていますの…

フォンタンのチアノーゼ 「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その5

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、チアノーゼについてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっていますの…

フォンタンの不整脈 「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その4

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、不整脈のリスクについてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっていま…

フォンタンの脳機能リスク 「フォンタン アメリカ心臓協会AHAの科学的声明」を読む その3

フォンタン患者の長期リスクについて、調べています。ここでは、脳機能のリスクについてまとめます。 2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっていま…

フォンタン患者、親、家族へのメッセージ「フォンタン アメリカ心臓協会の科学的声明」を読む その2

2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっていますので、少しずつ理解したことをまとめています。その2回目です。 この文書の最後にフォンタン患者、親…

フォンタン患者の体格面の成長 「フォンタンの子供と大人の評価と管理:アメリカ心臓協会の科学的声明」を読む その1

2019年7月にアメリカ心臓協会(AHA)から「フォンタン循環の子供と大人の評価と管理」という文書が発行されています。 長い文書で内容が多岐にわたっているので、フォンタンと体の成長に関する一部を読んでみました。 文書情報 まとめ 感想 文書情報 Evaluatio…

アメリカ心臓病学会 cardiosmart 先天性心疾患との生活=10のヒント

アメリカ心臓病学会cardiosmartに先天性心疾患患者の生活の10のヒントがありました。 わかりやすかったのでまとめてみます。 出典 リンク まとめ図 医療情報の整理整頓 検査を続ける 成長に応じた医療 体の状態を感じて説明できるようにする 早い段階で心臓…

心拍管理しながら運動をやってみる(定期的運動のチャレンジ体験記)

先天性心疾患患者は、少し強めの運動が勧められていることが多いです。 実際にやってみて、やり方を工夫してみました。 また、心拍を読み上げて管理するためのAndroidアプリも開発して、心拍数を一定にするように運動しています。 play.google.com なぜ始め…

先天性心疾患患者のためのサマーキャンプ(アメリカの例)

病児の自立心を育む方法が気になります。親元から離れる体験をしてもらいたいですが、制限のため通常では無理な場合もあります。 アメリカでは、どうなっているか調べてみました。 先天性心疾患患者のためのサマーキャンプが行われています。 全体像 キャン…

ミシガン大学 先天性心疾患患者のコロナウイルスガイダンス更新(2020年7月23日)

4月にミシガン大学のコロナウイルスガイダンスを読みましたが、先日更新されました。 リンク Coronavirus Guidance for CHD Patients v2 約4か月の変化を見てみたいと思います。 こちらは前回のまとめのリンクです。 lemondh.hatenablog.jp 全体的に リスク…

フォンタン患者が運動すると肝機能に悪影響がある?? その3(蛋白漏出性胃腸症関連も)

2016年から2017年にかけて埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科のグループからフォンタン患者の運動の肝機能などへの悪影響に関する学会発表が行われています。 3本目の学会発表についてまとめてみます。 「フォンタン患者の日常生活活動の特徴と肝う…

フォンタン患者が運動すると肝機能に悪影響がある?? その2(1年の変化を見る)

2016年から2017年にかけて埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科のグループからフォンタン患者の運動の肝機能などへの悪影響に関する学会発表が行われています。 2本目の学会発表についてまとめてみます。 前回同様、学会発表の予稿のみで論文が見つか…

フォンタン患者が運動すると肝機能に悪影響がある?? その1

2016年から2017年にかけて埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科のグループからフォンタン患者の運動の肝機能などへの悪影響に関する学会発表が行われています。 気になる内容なのでまとめてみます。 学会発表の予稿のみで論文が見つかっていません。そ…

先天性心疾患患者の(運動中の)突然死の可能性

先天性心疾患患者の運動は、多くのところで勧められています。しかし、そのリスクがないのかが気になり調べています。 European heart journal 2016にノルウェーでの突然死リスクについての調査と、エディトリアルコメントがありました。 特に運動との関連に…

フォンタン患者の精神疾患のリスク:アメリカの論文

先天性心疾患の長期リスクについて調べています。 単心室(フォンタン)の青年患者における精神疾患の調査報告がPEDIATRICS誌(2017)にありました。 Boston Children’s Hospitalの論文です。 論文 リンク まとめ 調査対象 調査方法 結果 これまでの研究との違…

単純な先天性心疾患の患者にも、知能的精神的問題のリスクがある(デンマークの研究)

長期的なリスクを調べて、可能な限りリスクを避けたいと思います。先天性心疾患と知能的、精神的な問題発生についての論文を読みました。アメリカ心臓協会への投稿で、デンマークでの研究です。 論文にはコメントがついていたので、併せて読んでまとめていま…

イギリス王立ブロンプトン病院成人先天性心疾患患者へのコロナ情報

今後COVID-19がどのようになっていくか予想がつきません。これまでで日本よりも感染が広がった国で、何が起こったか気になります。それがわかれば、万一、日本で感染拡大になった時の参考になると思います。 イギリスの事例を見てみました。 王立ブロンプト…

アメリカ心臓協会(AHA) ロックダウン下でも運動

少しずつ外での活動が始まっていますが、感染のリスクを考えるとすぐに外に行くのも難しいです。しかし、必要最低限の外出だけでは、運動不足による体力低下も心配です。 アメリカ心臓協会のホームページに、「一緒に運動しよう」として、いろいろなコンテン…

米国心臓病学会 解説 COVID-19と先天性心疾患 10個の留意点

米国心臓病学会(American College of Cardiology)がCOVID-19 in Congenital Heart Disease: Ten Points to Remember というレポートを2020年6月4日に公開しています。読んでみました。 リンク COVID-19 in Congenital Heart Disease: Ten Points to Remem…

コロナウイルスへの感染と先天性心疾患(イタリアの論文) 深刻な人はいないがまだデータが少ない

コロナウイルスへの感染で先天性心疾患の人はどうなるのか気になります。 2020年6月8日にイタリアの事例が論文化されています。 論文 リンク まとめ 感想 注意点 論文 COVID-19 and Congenital Heart Disease: Results from a Nationwide SurveyJolanda Saba…

フォンタンを機械で補助する

フォンタンでは、循環に右室の助けがありません。これを何とか補助できれば、通常の心臓に近付くのではないかという夢があります。これについて、論文を読んでみました。 現時点では、まだ基礎研究段階で、沢山あるアイディアのうちの一つです。 論文 リンク…

TCPCフォンタン実施後の傾向(福岡こども病院)

European Journal of Cardio-Thoracic Surgeryに福岡こども病院のTCPCフォンタン実施後500人の状態についての論文がありました。2015年の発表です。 TCPCの初期から中期の結果を評価することを目的とした論文です。 論文 リンク まとめ そのほかの情…

先天性心疾患のこれまでと次の10年

先天性心疾患の次の10年について、AHA circulationの論文(2016年)をよみました。 Boston Children’s Hospitalの論文です。 Trends in Congenital Heart Disease The Next Decade Circulation. 2016;133:2716–2733 全体像としてまとめてみます。 リンク…

感染性心内膜炎の対策(アメリカでの解説事例)

先天性心疾患患者が気を付けないといけない感染性心内膜炎の対策について調べています。アメリカの情報を見てみました。メドトロニック社のホームページに動画と解説が載っていました。人工弁置換をしたMike君が主人公です。 感染性心内膜炎の原因 大事なこ…